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香港―政治

『立場新聞』元編集長らに有罪判決

『立場新聞』が2020年から21年にかけて17本の扇動的な記事の掲載に関与した裁判で、被告らに判決が下された。8月29日付香港各紙によると、『立場新聞』の親会社のベスト・ペンシル(香港)リミテッド、元編集長の鍾沛権氏、当時の編集長代理だった林紹桐氏は、扇動的な出版物の出版を共謀した罪で起訴された。メディアが扇動罪で起訴されるのは1997年以降で初めて。56日間の公判と3回の休廷を経て、郭偉健・判事は29日午後、区域法院(地方裁判所)で鍾氏と林氏に有罪判決を下した。量刑判決は9月26日に延期され、郭判事は鍾氏と体調を崩して入院中の林氏の保釈を承認した。

判決文では、扇動罪の規定にある「憎悪」「軽蔑」「反逆」「不満」などの扇動目的を伴う文言は、単に言葉だけを取り上げるのではなく、犯罪が発生した時代背景を考慮しなければならないと指摘。この犯罪制定の目的は、扇動的な言論が国家の安全を脅かしたり、公共の秩序や安全に潜在的な損害を与えたりすることを防ぐことであり、その目的は、中国政府と香港特区政府の権威、憲法上の秩序や地位を意図的に傷つけ、香港の司法制度あるいは中国と香港の政府と住民との関係を損うのを禁止することであると説明した。裁判所は、言論が扇動的な意図を持っていると評価される場合、それは国家安全保障に潜在的な損害を引き起こすとみなして抑止すべきであり、その言論が実際に国家安全保障上のリスクをもたらすかどうかを考慮する必要はないとの判決を下した。

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