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令和 政経ミステリーゾーン

みんなでトランプ氏を利用する

トランプ関税に端を発する株価の急落で、個人投資家の間でも「1000万円損をした」「2000万円損をした」といった声も聞かれます。問題は各々がその声をどう受け止めるかです。「株式投資は危ないので、銀行預金で我慢しよう」と考えるのか? 或いは「急落時はチャンス」と考えるのか?(ICGインターナショナル代表・沢井智裕)

米景気後退なければ株価は既に底打ち

まずトランプ関税の発表によってアメリカ外交の信用が失墜、インフレの再燃、株式・債券・ドルのトリプル安、債務削減の停滞、米景気後退懸念、同盟国・友好国に対する裏切り行為等。大統領の愚策を挙げればキリがありません。

大統領に就任してたったの100日間でアメリカの金融市場を奈落の底に突き落としたトランプ大統領は恐らく「歴史に残る大統領」になるはずです。そして戦後の歴代大統領の就任100日後の支持率で史上最低の37%を記録したのですから、既に記録にも、記録にも残る大統領となった事でしょう。冗談はさておきまして、米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、これまでアメリカ経済のインフレを鎮静化する為、市場との対話を重ねて慎重に「利下げ」を行ってきました。しかしながらトランプ関税によって「不確実性」が増しており、FRBによる「利下げ」は一旦中断されています。この不確実性とは、トランプ関税によって、アメリカに輸入される商品・製品・部品・原材料等の価格が高騰して、せっかく鎮静化されつつあったインフレが再燃する可能性があるという意味です。

この「不確実性」という言葉は、日本銀行の植田総裁も度々口にしています。日本銀行のケースも国内の輸入物価の高騰(インフレ)に対して、この場合は「利上げ」のタイミングを再考する必要が出てきました。

暴落時の買いが一番儲かる

香港の友人ファンドマネジャー達は一様に「今、投資しないでいつ投資するの?」というスタンスでした。相場が反発局面に入りました。もちろんこのまま継続して株価が上昇するという意味ではありませんが、投資、資産運用というものはもともと時間を掛けて行うもの。つまり最低3年から5年後を見据えて、株式投資を行うというものです。

この20年ぐらいの大きなイベント(事件)を紐解いてみますと、まずリーマンショック時が挙げられます。S&P500種は2007年10月9日の高値1565.15から2009年3月9日に676.53の安値まで56.8%下落しました。しかしその3年後の2012年3月9日には1370.90までS&P500種は102%上昇しており、5年後の2014年3月10日には1877.20と177%の上昇となりました。投資元本は5年で2.7倍になる計算です。

そして新型コロナの時はどうだったのでしょうか? S&P500種指数は2020年2月19日に3386.15の直近高値を付けた後、コロナショックで同年3月23日には安値2304.90まで33.9%下落しました。しかしながらその3年後の2023年3月9日には3951.57まで71.4%上昇し、5年後の2025年3月9日には5662.89まで145%の上昇となりました。

株式投資の格言「人の行く裏に道あり花の山」といったところでしょうか。米ウォール街にも「人が売るときに買い、人が買うときには売れ」(Buy when others sell; Sell when others buy.)「株というものは高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ」という言葉があります。

さて今回のトランプ・ショックはどうでしょうか? アメリカの代表的な株価指数のS&P500種指数は4月8日の4982.77が底打ちの可能性として挙げられます。2月19日に付けた直近高値6144.15からは23.3%の下落でした。3年後、5年後の株価はどのようになっているのか楽しみですね。

ただし一つ気を付けておきたいのが、このシナリオが崩れるケースがあります。それは米国景気が後退した場合です。今回の株価急落はあくまでトランプショックという言わば「人災」です。その場合、アメリカ株は過去の経験則から言いますと高値から20‐30%程度、或いは、それ以上の調整局面に入るはずですので、この4月8日の安値を割り込んでくる可能性があります。つまり相場は二番底を付けにいく展開となりますので、今後はアメリカ景気の動向も注視する必要があります。

ゴールドでヘッジする

それでは米景気が後退した場合はどうしたらいいのでしょうか? 恐らくアメリカは、株安・債券安・ドル安のトリプル安に悩まされるのだと思います。香港も米ドルとのペッグ制が危ぶまれるときが来るでしょう。米ドル売りが加速し、当局も香港ドル買い・米ドル売りに追われるときがきます。実際に5月初旬、香港の中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)は香港ドルと米ドルとのペッグ制の防衛(米ドルの下支え)の為、465億3900万香港ドル(約8700億円)相当の米ドル買い・香港ドル売りという過去最大規模の米ドル買い介入を実施しました。1日あたりのドル買いとしましては過去最大級だったようです。トランプ関税にノーという投資家の怒りのドル売りだったのでしょう。

米ドルの信認が失われつつある中、私達の資産はどのように守っていけば良いのでしょうか? その場合はやはりゴールド(金)です。ゴールドは不変です。つまり何十年、何百年経過しても永遠に輝き続ける上、宝飾品としての価値も有します。また商品ですので通貨インフレにも強いです。もちろんゴールドを保有していても金利は付きません。金利だけを考慮するならば米ドルや高金利の通貨を保有する方がいいでしょう。但し今後は米景気の悪化で、米FRBは金利を徐々に引き下げてくるはずですから、多額の資金を運用する世界の機関投資家は、これまで以上にゴールド嗜好に走るはずです。

好例は中国です。中国はゴールド(金)を継続的に購入しています。信用ならないアメリカの通貨に換えて、他の新興国の中央銀行や法人・個人も同様の行動をとっています。

アメリカが利下げを再開した時は米ドルが世界の基軸通貨ドルから滑り落ちる時なのかもしれません。今後は世界のドル離れが加速するはずです。

(資料)トランプショック

S&P500種指数 https://www.investing.com/indices/us-spx-500-chart 

「ちょっとお笑い、アトム&ジュエリー」

アトム:  近い将来、日本の北側からロシア軍が攻めてくるんかなあ?

ジュエリー:海底資源があるから北方領土は簡単には返してくれないでしょうね。

アトム:  いざとなったら日本政府が守って・・・・くれる訳ないよな。

自分の身は自分で守らんと。ということは逃げるしかないやん。

ジュエリー:ドイツは完全に「戦後レジームの脱却」を果たし、武装強化にまっしぐらと

いうことよ。ゲルマン民族は怒らしたら怖いわよ~。

アトム:  なんやねん、お前。犬鳴山の幽霊みたいに、顔の前で手を垂らさんといて

くれよ。気持ち悪いねん。知ってるよ。ヒトラーみたいなんがまた出てくる

んやろ。幽霊よりヒトコワやで。

ジュエリー:日本も参院選までだと思うけど、石破さんに頑張って貰いたいよね。

アトム:  ムリ、ムリ、ムリ、ムリ×100。自民党の1期生15人に10万円ずつ渡して

いたそうやし、過去にパーティー券3千万円分が未記載(裏金)だったそう。

ジュエリー:あなたはゴシップネタ好きよね?

アトム:  いや今マジで石破さん、万博のミャクミャクの方が支持率高いんとちゃうか?

冗談抜きであの人らに外交任しておいたら、日本滅びるで、知らんけど。

ジュエリー:でも知ってる?自民党の党是。1955年の結党以来、「憲法改正」ですよ。

アトム:  今、2025年なんですけど、何か?

ジュエリー:自民党は長期に渡ってアメリカの子会社的な役割を果たしてきたからね。

アメリカ主導の日米構造協議や年次改革要望書に従って行動してきたの

だから。トランプ政権になって自民党の役割も終わりを告げるところにきた

のよ。

アトム:  なんか勝手に話をまとめたなあ。ミャクミャクでも見に行ってこようっと。

 

筆者紹介

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沢井智裕(さわい・ちひろ)

香港在住。

1995年にイスラエル人パートナーと共同経営でICGグループを設立。プライベートバンキングとファンドマネジメントを中心とした金融事業に精通。

ヘッジファンドやエクイティファンドを運用し、経験値と実績を積み重ねる。2022年には金融事業の一部を香港の上場企業に売却。

香港では米系華僑のアトラス・キャピタル社のレスポンシブル・オフィサーに就任し、華僑系の資産運用も一任されている。

香港から見た国際経済・国際金融についてユダヤ・華僑富裕層から得た情報を元に、日本国内では独自の切り口で上場企業や各団体の依頼で講演活動を行う。

著書多数。

https://www.icg-overseas.com/blog

https://atlascapital.hk/

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