同級生に身分証(IDカード)の写真をバカにされたことから身分証を偽造し起訴された少年の裁判で、禁固3カ月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された。1月4日付香港各紙によると、被告の少年(16歳)は中国本土出身で、香港に投資移民として移住した両親とともに来港。カナダに留学経験があり、香港ではインターナショナルスクールに入学したが、太っていてファッションがダサイと同級生たちに笑われていた。その後、少年は2年かけて体重を50ポンド減らすなどダイエットに成功したものの、身分証は18歳になるまで更新できず、太った姿の写真についてからかわれることが続いたという。悩んだ少年は興味半分もあって、本土で800人民元で偽造身分証を購入し、友人に身分証を見せるときにはそれを使っていた。事件が発覚したのは2020年8月にMTR駅構内で挙動不審だった少年に警官が職務質問をして身分証をチェックした際、財布の中にもう1枚身分証があったことから。弁護側は、偽造身分証は被告にとってはいじめられないための「お守り」のようなもので、ジェットインクプリンタで印刷しただけで模倣度は高くなく、氏名の表記や年齢も事実とは異なっており、違法用途を目的に所持していたわけではないと主張。裁判官は香港の法律では身分証の偽造は禁固12カ月の有罪となるが、それは偽の身分証で求職した場合であり今回のケースは該当しないとして、執行猶予を言い渡した。
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