横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号から香港市民を引き取る特区政府のチャーター機の第2便が2月21日午後9時に出発し、22日午前1時半に香港に到着した。同日の香港メディアによると、ダイヤモンド・プリンセス号では66人の香港市民が新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)に感染しており、日本にとどまって治療を受ける。チャーター機にはダイヤモンド・プリンセス号に乗船していた香港市民のうち82人とマカオ市民2人が搭乗。マカオ市民はマカオ特区政府が手配した車で空港から港珠澳大橋を経由してマカオに向かい、香港市民は隔離施設となっている火炭の公共住宅「駿洋邨」へ送られた。「駿洋邨」一帯ではデモ隊による襲撃に備えて機動隊が配備されている。日本当局からの通達で17人が感染者と密接に接触したとみなされチャーター機への搭乗を認められなかったため、22日午前1時ごろ発の全日空機で自費で香港に帰還した。
■チャーター機第3便で5人帰還
横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号から香港市民を引き取る特区政府のチャーター機の第3便が2月23日午前1時ごろに東京を出発し、午前6時10分に香港に到着した。同日の香港メディアによると、第3便には5人が搭乗。香港に到着後は隔離施設となっている火炭の公共住宅「駿洋邨」へ送られた。チャーター機に同乗した特区政府保安局の区志光・副局長は到着後に記者会見を行い、3便に及ぶチャーター機で引き取ったダイヤモンド・プリンセス号の乗客は計195人、うち193人が香港市民、2人がマカオ市民であることを明らかにした。船上では香港市民70人が新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)に感染し、密接な接触者は約30人。23人がまだ下船できない状況だ。また現地では多くの観光バスがダイヤモンド・プリンセス号の乗客を乗せるのを拒否する中で駐日中国大使館が華人団体の協力を得てバスを手配したという。特区政府入境処の曽国衛・処長は「日本での作業は多くの不確定要素と突発的状況がある」として措置が理想的でないことを認めた。
■東方日報が湖北へチャーター機手配
東方日報集団は湖北省にとどまっている香港市民を救出するため深セン東海航空とチャーター機の手配を交渉している。2月23日付同紙によると、湖北省にとどまっている香港市民は2500人余りで、中には妊婦も含まれ、粉ミルクと薬が不足している状況となっている。東方日報は深センの病院と連絡を取り、これら香港市民を深センの病院に連れて来て隔離することを検討。検疫については特区政府が手配するよう求めているが、まだ政府の協力は得られていないという。深セン東海航空は全国で唯一、15万平方メートルの基地を持つ公務機運航会社で、商用航空機3機を所有しチャーター便サービスを提供している。2010年2月に設立され、12月から商業運営を開始した。
■キャセイ航空が沖縄線を運航停止
新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)の流行によってフライトを削減しているキャセイパシフィック航空は2月28日から沖縄線と釜山線の運航を3月28日まで停止すると発表した。23日の『香港経済日報』(電子版)が伝えた。そのほか新潟線は3月5日から同月末まで運航停止する。キャセイ傘下の香港エクスプレスは依然として1日1便の沖縄線と週3便の釜山線を運航している。同グループは運航停止によって影響を受けた顧客には払い戻しを行う。

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