特区政府衛生防護中心は10月29日、ラット(ネズミ)由来のE型肝炎ウイルス(HEV)の感染例が1件確認されたと発表した。同日付政府公報によれば、感染者(1人)は持病があって長期的に通院している78歳の高齢者だ。クイーン・エリザベス病院に再診に訪れた際に肝機能に一時異常がみられたため、血液検査を行ったところHEVの陽性が確認されたが、容体は安定している。ホンハム在住で、ネズミなどの齧歯類やその排泄物に接触したことはなく、潜伏期間内の渡航歴もなかったという。当局では感染経路を調査するとともに、必要ならばペストコントロールも行う考えだ。医師の話では、目下ラット由来HEVの人への感染経路は解明されておらず、一般的には糞便や経口感染によるものが主だという。人へのラット由来HEV感染は、香港では2018年に初めて2人見つかった。19年5月にも3人の高齢者の感染が確認されている。当局では清潔を心掛け、食物の衛生にも留意するよう市民に呼び掛けている。

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