新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、中国本土では出入境する旅客に「出入境健康申告カード」記入を義務付ける通称「ブラックコード」措置が実施されていたが、3年以上を経てようやく歴史的任務を終えることとなった。11月1日付香港各紙によると、国家税関総署は11月1日午前零時から「ブラックコード」による出入境健康申告の措置を撤廃すると発表。夜中にいち早くボーダーを越えた市民の中には、出入境が速くなり便利になったと喜んでいる者もいた。
『星島日報』記者は10月31日午後11時45分ごろにシャトルバスに乗って落馬洲出入境管理所から出境し、午前零時に深セン市の皇崗出入境管理所の健康申告コード読み取りゲートに到着した。ゲートはすべてのドアが開いており、ボーダーを通過する人はQRコードをスキャンすることなく直接通過でき、これまでのように行列に並ぶ必要がなくなった。全国人民代表大会(全人代)常務委員会の李慧瓊・委員は「香港と本土との間の出入境が新型コロナ流行前の状況を完全に回復したことを反映しており、これにより香港と本土のつながりと協力がさらに強化されるだろう。香港と本土の間の交通の便が良くなり、両地の人員と物流の交流にとってより便利な条件が提供され、正常化を象徴する日となった」と述べた。
同日未明にボーダーを越え、夜食を求めて深センへ北上した香港在住の陳さんは、夜に深センに行って飲み食いし、早朝に香港に戻ることが多いそうだ。彼はよく飲みすぎて、スマホのWeChatアプリで「ブラックコード」を開く際に「ボタンを間違える」「スマホを落とした」などの事態に遭遇しており、今後はこうしたトラブルが回避されると喜んでいる。本土当局が「ブラックコード」を撤回したことについて「香港人にとっては食べたり飲んだり楽しんだりするために本土に行くのに便利だし、本土の観光客が消費のために香港に来るのも便利になる」と述べた。
日刊香港ポストは月曜から金曜まで配信しています。ウェブ版に掲載されないニュースも掲載しています。時差ゼロで香港や中国各地の現地ニュースをくまなくチェックできます。購読は無料です。登録はこちらから。