逃亡犯条例の改正反対デモが続く中で他界した陳彦霖さんにちなんで将軍澳の休憩施設を「陳彦霖記念公園」と命名するという提案に対して、陳さんの母親が反対であるとの声明を3月3日に発表した。
同日付香港メディアによると、陳さんは逃亡犯条例改正反対デモが広がった時期に水死体で見つかった15歳の少女で、死因は自殺とみられているものの、彼女が警察に殺されたというデマが一時広がった。こうした論調を受けてか、ある西貢区議会議員が命名案を3月4日に区議会に提出するつもりであると報じられた。
しかし、陳さんの母親は民主建港協進連盟(民建連)を通じて「命名案は私や家族の願いではなく、傷口に塩を塗られるような思いだ」と心中を吐露する手紙を発表。娘が利用されることは望まないという。
記者会見で母親の声明を発表した立法会議員の葛珮帆氏は、死者を政治利用することは不道徳な行為であり社会から責められるべきだと指摘。将軍澳住民からも命名案に対する憤りや不安の声が多く寄せられていると話し、提案した議員はこれを撤回し陳さんに謝罪するべきだと主張している。
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