初の14社による「越境理財通」の試行が開始から1カ月を迎えた。この期間中、中信華南証券、華泰証券、広発証券の3社が、顧客の資金移動額で1億元を突破し、口座開設数や投資規模において業界をリードしている。
今回の試行では「南向通」が主流となり、オンライン口座開設の利便性や高い収益性が投資家を引き付けている。「南向通」の商品は、年利4%程度と国内商品の約2%を大きく上回る収益性が魅力とされている。また、最大300万元まで利用可能な枠があり、外貨枠を消費せず簡単に為替取引ができる点も支持されている。
一方、「北向通」は相対的に低調で、その要因として香港・マカオの投資家には既存の多様な投資チャネルがあることが挙げられる。
試行開始から1カ月、多くの証券会社が課題解決に取り組んでいる。例えば、資産認定基準の標準化やオンライン手続きの改善を進め、顧客体験の向上を目指している。また、一部の証券会社は2025年までにKPI(重要業績評価指標)を設定し、「越境理財通」を大湾区内外での資産管理や国際化推進における重要事業として位置付けている。

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