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香港―社会

密輸船あて逃げ、女性指揮官が殉職

屯門の沖合で密輸船と衝突し海に投げ出され、9月25日から行方不明になっていた水上警察の女性指揮官が殉職したことが分かった。9月27日の香港メディアによると同日早朝、ランタオ島の二澳の海で女性の遺体が発見され、高級督察(シニアインスペクター)の林●儀さんであることが確認された。林さんら捜査員は密輸船を追跡中、密輸船が故意にぶつかってきたことによりボートが転覆し、4人が落水。うち2人は自力で浮上し、1人は救助隊に救助されたという。いずれも負傷しており病院に搬送され、現在も入院して治療を受けている。林さんも救命胴衣を着けていたそうだが、不明から24時間以上が経ち、帰らぬ人となった。37歳の林さんは2007年に香港警察に入隊し、叩き上げながら10年には高級督察へ昇進した。17年に水上警察へ異動になり、自身も船舶の運転免許を所持しているという林さんは数々の事件解決に貢献。指揮官として辣腕を振るい、最近では、20年9月に新型コロナ感染拡大から飼い主がペットの犬猫を密輸業者に依頼して密航させた事件を摘発するなど活躍していた。この訃報に対し、林鄭月娥・行政長官ら政府部門の長が哀悼の意を表すコメントを発表した。また、深い悲しみにあるとのコメントを出した香港警察は林さんの制服姿のポートレートを公開しその功績をたたえるとともに、今後も引き続き全力で密輸摘発に臨むとの意欲を見せた。当局の資料によれば、2017~19年の3年間に摘発によって逮捕した密輸犯は毎年平均約32人に上るが、今年は1~8月だけでもすでに46人を逮捕したという。【●=女へんに宛】

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