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インタビュー

政治経済評論家・古賀茂明氏に聞くー激動の国際情勢と日本の針路

揺れ動く国際情勢、特に日中関係と台湾問題について政治経済評論家の古賀茂明氏にお話を伺いました。古賀氏は日本の現状と、今後進むべき道について深い洞察を示しており、日中関係悪化の要因や、日本がどのような戦略を持つべきかを探ります。

(インタビュー取材日26年1 月7日 / 聞き手  HKP Co,,Ltd代表 楢橋里彩)

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【プロフィール】

1955年長崎県生まれ。政治経済評論家。東京大学法学部を卒業後、旧通商産業省(現経済産業省)に入省。大臣官房会計課法令審査委員、産業組織課長、中小企業庁経営支援部長、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官などを歴任し、改革派官僚として活躍した。2011年の退官後は「報道ステーション」コメンテーターを務め、官僚・政府体制への批判的な発言で注目を集めた。2015年には外国特派員協会より「報道の自由の友賞」を受賞。主な著書は『官僚の責任』『国家の共謀』『日本中枢の狂謀』『日本中枢の崩壊』『官僚と国家』など。

台湾問題をめぐる日中関係の現状

――現在の日中関係は、特に台湾問題をめぐり緊張が高まっています。この状況をどのように評価し、根本的な要因は何だとお考えでしょうか。

日中関係は非常に悪化しています。日本側の要因はいくつかありますが、特に目立つのは高市首相の登場です。彼女は保守派であり、時には極右的な立場を取る政治家として知られています。

――具体的にはどういった問題があるのでしょうか。

高市首相の歴史認識が大きな問題です。彼女は太平洋戦争について日本の過ちを認めたくない、いわゆる歴史修正主義者です。この姿勢は中国側にもよく理解されており、過去の発言からも明らかです。

台湾問題は、高市首相の歴史認識と直接関係しています。台湾を民主的かつ経済的に発展した国として捉え、それが中国の一部であるという事実を認めたくないという矛盾を抱えています。これまで日本は台湾が中国の領土であることを尊重し、理解するという約束をしてきましたが、彼女の考え方はそれと根本的に相反します。

中国の警戒と日本国内の対中感情

――高市首相の支持率が高いのはなぜだと思われますか。

高市首相は政権維持を最優先に考えており、表向きは中国との関係が悪化することに若干の懸念を感じつつも、実際には支持層の期待に応えるような行動をとっています。例えば、靖国神社への参拝を避けることで、現実的な政治を展開しています。しかし、その背景には彼女の歴史認識と中国に対する姿勢の不一致があります。

特に、韓国との関係は非常に複雑です。これから中国と対峙する中で、韓国と対立することは不利になります。最近の世論は韓国との良好な関係を望む方向に変化しており、多くの人々が韓国との交流を好んでいるため、韓国とのトラブルは避けたいと考えています。

――台湾問題については、どのように影響を及ぼすとお考えですか。

高市首相の台湾問題に対するアプローチは、予想以上に強硬です。その結果、現状の緊張を引き起こしていると言えます。彼女の歴史認識の問題は、日中関係の深刻化をもたらす重要な要因となっています。

また、国民が「中国嫌い」になった背景には、ある意味で洗脳されている側面もありますが、実際に中国を嫌う日本人は多いです。この感情は、中国人や中国文化に対するものではなく、習近平体制に対する否定的なイメージから来ています。特に「言論の自由がない」という印象は強く、香港の騒乱に対する反応もそれに影響しています。

――具体的にはどのような恐れや感情があるのでしょうか。

多くの日本人は「中国は怖い」と感じています。その背景には、恐怖と憎悪が重なっていて、「中国にやられたら大変だ」といった意識が広がっています。また、「2027年には台湾有事が起こる」といった言説も浸透しており、「台湾有事になったら次は沖縄も」といった誤解が生まれています。

その結果、中国からの対抗措置も増えています。先日、レアアースなどの対日輸出制限が発表されましたが、中国側にとっては合理的な判断です。

特にデュアルユース(軍民両用)製品の規制は、日本が自衛隊に関連する物資を輸入することへの懸念から来ています。高市首相の発言がこの問題を引き起こし、中国の立場からは自己防衛のための正当な措置だと評価すべきなのですが、高市首相は、これは不当な日本への威圧的行為だということを国民向けに発言しています。

――日本国民は日中間の合意を正しく理解していないという見解ですが、それについてお聞かせください。

多くの国民は「中国が攻めてくる」と思い込んでいますが、実際には日中間で台湾問題についての合意があることを理解していません。高市首相は、そのような誤解から得た支持によって政策を実行に移しており、引き返すことが難しくなっています。

――マスコミの影響も大きいですね。

特に香港の問題や中国の言論の自由の制圧が報じられる中で、マスコミが「2027年には台湾有事がある」という話を盛り上げています。元々米軍の関係者からの情報に過ぎなかったものが、尾ひれをつけられ、「習近平が武力行使を辞さず」と解釈されることが多いです。このような報道が、国民の理解を誤らせる要因になっています…

(続く)

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