香港域内で6つの映画館を展開していた「UA戯院/UA Cinemas」が3月8日、全面閉業を発表した。同日付香港各紙によると、すでに同日から全館閉鎖しており、36年の歴史に幕が降りた。関係者の話では、2019年に大規模デモの余波で経済環境が急変したのに続き、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかった。コロナ予防措置のため過去1年内に3度も映画館は営業停止となり、直近の半年は収入がなかったが、それでも高い家賃や固定費を払わなければならず、収入源の開拓や経費削減をしたものの、経済的なプレッシャーには勝てなかったという。映画の業界団体関係者は、例えば1つのスクリーン(ミニシアター)で計算すると、スタッフの人件費なども合わせて約60万ドルのコストがかかると指摘。UA戯院傘下の映画館は6館で、そこに入っているミニシアターの数は計30に上ることから運営コストの負担は大きいという。UA戯院は今年1月には、2月末をもって香港最大規模の映画館「K11 Art House」の運営から撤退すると発表し、近く閉業するのではないかとうわさされていた。
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