林鄭月娥・行政長官は7月31日夜に記者会見を行い、「緊急状況規例条例」を引用して立法会議員選挙を1年延期して来年の9月5日に行うと発表した。
8月1日付香港各紙によると、林鄭長官は「立法会選挙の延期は新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)への対応が始まってからのう7カ月で最も困難な決定」と述べ、ウイルス流行を食い止め、選挙の公平公正な実施を確保するには必要な決定だと指摘。立法会選挙は香港最大規模の選挙で、約440万人の選挙人がかかわり、中央開票所とメディアセンターが設置され、大量の人が集まるため感染リスクが極めて高いと説明した。
そのほかにも延期の理由として、多くの選挙人が中国本土や海外に滞在しており入境制限のため香港に戻って投票権を行使することができないこと、3人以上の集まりを禁止している規定から選挙活動ができないこと、選挙人のうち約60万人は71歳以上であるため感染リスクから気軽に投票には赴けないこと、現行の法例では数日間に分けた投票や域外投票、電子投票、郵便投票などが不可能であること、中央開票所となるアジア国際博覧館は臨時隔離・治療センターとなっていることなどを挙げた。
立法会の空白期の扱いについては中央が全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議に議案を提出して決定するほか、現職の立法会議員の任期が1年延長された場合、今回の立候補届け出で候補資格を認められなかった現職議員が続投できるかどうかも全人代常務委の処理を待つことになると説明した。
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