特区政府統計処は5月2日、2025年第1四半期の域内総生産(GDP)速報値を発表した。同日の政府新聞公報によると、2025年第1四半期のGDPは前年同期比で実質3.1%増、2024年第4四半期の2.5%増から伸び率が拡大した。GDPの主要構成要素を分析すると、個人消費は2025年第1四半期に前年同期比で実質1.2%減少し、2024年第4四半期の0.2%減から減少幅が拡大した。2025年第1四半期の固定資産投資は前年同期比で実質2.8%増、2024年第4四半期の0.7%減からプラスに転じた。
2025年第1四半期の商品輸出総額は前年同期比で8.7%の実質増加を記録し、2024年第4四半期の1.3%から大幅に伸び率が拡大した。商品輸入総額は2025年第1四半期に実質7.4%増となり、2024年第4四半期の0.4%増から伸び率が拡大した。サービス輸出は2024年第4四半期の実質6.5%増に続き、2025年第1四半期には6.6%増とやや拡大。サービス輸入は2025年第1四半期に実質6.2%増となり、2024年第4四半期の8.3%増から伸び幅が縮小した。2025年第1四半期の季節調整済みGDPは、2024年第4四半期と比較して実質2.0%増加した。
政府報道官は「香港経済は2025年第1四半期に着実に拡大した」と述べた。事前推計によると、実質GDPは前年同期比3.1%増となり、前期の2.5%増を上回った。季節調整済みの前期比では、実質GDPは2.0%と大幅に増加した。主要項目別に分析すると、外需により全体的な商品輸出の伸びは加速。サービス輸出は、香港への訪問者数の増加やその他のボーダーを越えた経済活動の恩恵を受けて引き続き拡大した。経済が拡大するにつれて全体的な投資も増加。しかしながら市民の消費動向の変化の影響が継続し、個人消費は小幅減少となった。
今後の見通しについては、4月上旬の米国の輸入関税の大幅引き上げにより世界的な貿易摩擦が激化するなど、世界経済の下振れリスクが高まっている。貿易政策の大きな不確実性は国際貿易の流れと投資マインドを抑制し、香港経済の短期的な見通しに不安をもたらすとみられる。しかし中国本土の経済は引き続き着実に成長しており、経済成長を促進し、より多様な市場を開拓するための政府のさまざまな措置は、香港のさまざまな経済活動を支えることになる。2025年第1四半期のGDPの修正値およびより詳細な統計、ならびに2025年通年のGDP伸び率予測は5月16日に発表される。

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