香港版国家安全法が施行されて以来、香港終審法院(最高裁判所)ではオーストラリアと英国の海外非常任判事2人が辞任したが、3月30日にさらに2人の非常任判事が終審法院の職務辞任を発表した。31日付香港各紙によると、辞任を発表したのは英国最高裁判所長官のロバート・リード氏と昨年副長官に就任したばかりのパトリック・ホッジ氏。辞任は即時発効した。リード氏は辞任理由について「香港の裁判所は依然として法治に対する承諾を守り、引き続き国際的に尊重されている。だが最高裁判所の在職判事としては政治的自由と言論の自由に背く感がある中で終審法院の判事を続けるわけにはいかない」と説明したほか、英国のドミニク・ラーブ副首相は「在職判事を香港に派遣する措置はもはや適切ではない」と述べた。外交部駐港特派員公署は今回の件を英国政府の政治トリックと批判。林鄭月娥・行政長官は英国政府の決定による2人の辞任は受け入れるしかないと述べた上で、「2人の辞任が香港版国家安全法または香港の言論と政治の自由に関係あるという事実と異なる指摘には強く反対しなければならない」と強調した。英国は1997年以降、最高裁の現職判事2人を終審法院の非常任判事に任命してきた。

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