林鄭月娥・行政長官は10月4日、「緊急状況規例条例」(緊急法)を運用し「禁蒙面法」(マスク禁止法)を制定すると発表。5日午前零時から施行する。
同日の香港メディアによると、林鄭長官は同日、緊急行政会議を開き、緊急法の運用によるマスク禁止法を可決。マスク禁止法はデモ隊がデモ行進や集会に参加している間は顔の全部または一部を隠すことを禁止するもので、違反した場合は最高で禁固1年の刑が科せられる。
林鄭長官は「緊急法を運用してマスク禁止法を制定するものの、香港が緊急状態に突入したことを表すものではない。マスク禁止法で打撃を与えるターゲットは暴力を使用する者」だとして、マスクが必要な人がいることを理解し免除条項があると説明した。
政府消息筋は「警察が度々デモの反対通知を出したにもかかわらず違法デモが発生した。だがマスク禁止法が施行されれば警察に違反者を逮捕する権限が与えられる。違反者は1件多くの法的リスクを背負うことになるため一部の人には抑止効果があるだろう」とみている。緊急法と公安条例の運用による夜間外出禁止令も検討されていたが、政府内部で合意が得られていないため比較的合意に達していたマスク禁止法だけが可決されたとみられる。
10月1日の各地での衝突を受けて林鄭長官は作業を加速し、過去2日に司法長官や保安局長と会議を行い緊急法運用の準備を進めていた。3日には親政府派議員10人余りと全国人民代表大会(全人代)香港代表らが「禁蒙面法推動組」を発足し、政府に緊急法を通じたマスク禁止法の速やかな実施を求めた。マスク禁止法は米国など多くの国で普及しており、提案ではカナダのモデルを参考にして免除条項を設けるため、市民のデモや陳情の権利には影響しないと強調した。
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