民間人権陣線は6月16日、逃亡犯条例の改正に反対するデモ行進を行った。同日の香港メディアによると、15日には特区政府が改正の一時棚上げを発表したものの、改正の撤回要求やデモ隊と警官隊の衝突への抗議、林鄭月娥・行政長官の辞任要求を掲げた。
デモ隊はビクトリア公園から政府本庁舎前まで行進。参加者が多数押し寄せたために銅鑼湾ではヘネシーロードの全車線を開放しても追いつかず、ロックハートロードも開放、さらにはグロセスターロードにもデモ隊が流れた。民間人権陣線は参加者数を約200万人と発表。伝説となっていた1989年の天安門事件への抗議デモの主催者発表である150万人を初めて上回った。香港警察は参加者数について、もともと予定されていたヘネシーロードなどの路線に限りピーク時に33万8000人と発表。軍器廠街の歩道橋から観測して推計した数字で、予定されていたルート以外の参加者数は推計に含まれていない。
デモ隊の多くは12日のデモ隊と警官隊の衝突で若者らは暴動を起こしてないと主張し、警察の武力行使に対する抗議を叫んだ。さらに15日午後9時ごろ、金鐘の太古広場で工事用足場をよじ登ってデモの横断幕を掛けようとした男性が転落死したことで、改正反対運動での犠牲者として追悼と政府への責任追及としてデモに参加した人も多かった。転落現場では多くの市民が花を供え、添馬公園で開催されたカトリック教徒によるミサには200人が集まった。政府はデモに対するコメントを発表。すでに立法会での条例改正作業を停止したとあらためて述べたほか、行政長官は政府の仕事上で不足があったことを認め、社会に大きな対立をもたらしたことから市民に対する謝罪を表明した。
日刊香港ポストは月曜から金曜まで配信しています。ウェブ版に掲載されないニュースも掲載しています。時差ゼロで香港や中国各地の現地ニュースをくまなくチェックできます。購読は無料です。登録はこちらから。