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香港―経済

違法極狭アパート所有者は禁固2年

李家超・行政長官が先に発表した施政報告(施政方針演説)では、「住宅用建物の分割賃貸制度」の策定を提案しており、基準にかなった住宅を極狭アパートに代わって「簡易住宅」と呼ぶこととなった。10月18日付香港各紙によると、市民の中には簡易住宅の最低面積8平方メートルに疑問を抱き、家賃の高騰は「極狭アパートの住民を街から一掃する」に等しいと懸念する人もいる。これに対し李長官は、簡易住宅は過渡的措置であり、困窮者の住宅探しに役立つと強調。黄偉綸・財政副長官は、今後5年間が公共住宅完成の収穫期となると述べ、基準と家賃を満たした極狭アパートがまだ市場に約7万戸存在する見込みから、家賃に大きな変動はないと指摘した。

政府はさらに「簡易住宅」の基準を発表し、独立した窓とトイレを備えていることに加え、高さが2.3メートル以上である必要があり、独立した密閉型キッチンがない場合は、火を使った調理は許可されないとしている。 当局は早ければ来年第4四半期から既存の極狭アパートの登録を開始する予定だ。

内装作業に携わる何氏は、現在、一人暮らしの人や生活保護受給者は2500ドルから3500ドルの家賃で生活するのに苦労しており、「簡易住宅」を8平方メートルに設定した場合、家賃が5500ドル以上になると予想されているので、支払う余裕がないと懸念している。これに対し李長官は、「簡易住宅」制度の創設により多くの問題が解決されると指摘。既存の極狭アパート世帯11万世帯のうち40%が公共住宅を申し込む資格があり、さらに20%の世帯が短期的に香港の永住者になる可能性があるため公共住宅を申請できるようになるとみている。また政府は人々が結果的にホームレスになることを望んでいないと強調した。

黄財政副長官は、今後5年間が公共住宅完成の収穫期となると指摘し、極狭アパート世帯が公共住宅に入居した後は「簡易住宅」の需要が減少すると予想され、対策の効果は限定的だという。基準を満たせない極狭アパートの割合は約30%であり、今後も市場に流通する極狭アパートの戸数は約7万戸となるため、極狭アパートの供給が大幅に減少することはなく、家賃も大きく変動しないと考えられる。30000 戸の公共住宅と 21000 戸の過渡的住宅と合わせて、公共住宅の供給が増加したことで政府は極狭アパートの問題に対処する自信が持てるようになったが、性急に行動せず秩序立てて対応する必要があると強調した。

法律施行後、基準を満たしていない極狭アパートについて所有者が営業を続けた場合は刑事責任を負うことになるが、罰金だけでなく禁固刑となる可能性もある。ただし入居者は刑事責任は負わないと強調した。罰金については、李長官は十分な抑止力となるよう罰則は禁固刑2年、あるいは3年を起点にすると述べ、所有者は実業家であり違法行為のリスクを冒さないと考えていると述べた。

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