米国が中国に対して開始した貿易・関税戦争は香港に不確実性をもたらしている。4月27日付香港各紙によると、香港貿易発展局(HKTDC)の范婉児・研究総監は、2018年以降、米国は中国の対米輸出の約3分の2の商品に関税を課しているものの、中国の世界輸出シェアは依然として増加しており、2018年の12.7%から2023年には14.1%になると述べた。范総監は、緊迫した貿易情勢が香港企業のビジネスに及ぼす影響は小さいとみている。
范総監は、香港の対米輸出は2017年から2024年の間に10%減少したが、中東やASEAN諸国からの需要増加により、香港の輸出全体は17%増加したと述べた。現在、香港の対米輸出の約半分が関税の対象となり、香港全体の輸出の約3%が影響を受け、対米輸出への依存度が低下するという。
今回の米国の動きが世界市場に投資の方向性を見直すきっかけとなり、「あるいは、単一市場への市場集中のリスクに対する認識を高めることになるだろう。したがって、最終的に関税がどのように実施されるかに関わらず、世界の貿易国は単一市場への市場集中のリスクを再考する必要がある」と指摘。范総監は、香港の「一国二制度」モデルと、中国本土と世界の他の地域を結ぶ独自の役割により、香港は中国本土と世界の間の新たな貿易と投資の流れにとって最良のルートになると強調した。

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