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香港―社会

香港プロレスが最高!

 8月31日(土)、香港プロレス(HKWF)主催のValley Mania(場所:コーズウエイベイのHong Kong Football Club)と銘打ったプロレス大会が開催されました。夏休み最後の日とあって大人と子供を合わせて900人の観客が集まり、大変な盛り上がりを見せました。香港プロレス創設15周年記念大会とあって、会場内には選手のキャラクターグッズの販売やビールを含めた飲み物の販売もあり、さながらサマーフェスティバルの様相でした。

4大陸から選手が参加

 香港出身の選手の参加はもちろんのこと。北米からはアメリカ出身、南米からはメキシコ出身、欧州からはイギリス出身、またアジアからは中国、香港、そして日本のドラゴンゲートプロレス出身の選手が参加しました。

この大会を大いに盛り上げたのがメキシコ出身の選手です。格好いいマスクマンの被る覆面にはライトの光を反射するラメが入り、煌びやかなマントを背負って登場する姿が雰囲気を一層盛り上げます。そして何と言いましてもアクロバティックで、シャープな動きはネコやネズミも顔負けです。リングの3本ロープの上段のロープを綱渡りしながら繰り出す空中殺法に会場は大いに沸きました。日本の戦隊モノを見ている感覚に、観戦している子供たちもヤンヤの喝采を送っていました。

 

大会の目玉はケージマッチ(金網マッチ)

 日本のドラゴンゲートプロレスの(名古屋大会)名物でもあるケージマッチが香港で史上初めて導入されました。ケージマッチとはリングの周囲に金網が設置され、プロレスで闘いながら金網を超えて脱出することが出来れば勝利。そして最後に負け残った選手が最終的な敗者となります。そしてそれで試合が終わるだけでなく「罰ゲーム」が待ち構えています。

マスクマンならばマスクを脱いで自ら「自身の正体」を明かし、マスクマンではない選手は髪の毛を坊主頭に丸めるのです。ある種、敗者にとっては残酷な試合ですが、その緊迫感がひしひしと伝わりファンの興味を惹きつけます。この日の試合では計5選手が参戦しました。最後に負け残ったのは香港プロレス(HKWF)のアイアイ選手です。

ロン毛のアイアイ選手(HKWF)の髪の毛が大胆にも勝者の4選手によって次々と断髪式のように刈り取られていくのでした。

 

日本人の観客も堪能

 在香港の日本人の親子連れの観客の姿もちらほらありました。試合を終えた香港プロレス(HKWF)のマイケル・スー選手が会場の隅を通り掛かったので、写真撮影を求める日本のファンもいました。

同選手は快く写真撮影に応じて写真撮影に協力してくれました。彼らのインスタかフェイスブックで確認できるのかもしれませんね。

アジアに拡大するプロレス文化

 実はアジア諸国にはプロレス文化が根付いています。香港以外には中国本土、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア等、公式に活動が認識されているだけでもこれだけの国々が存在します。ただ今のところアジア最大のマーケットは日本です。日本のドラゴンゲートプロレスは今年の5月に香港大会を復活させた他、アメリカ、イギリス、アジアではシンガポールにも進出しています。業界最大手の新日本プロレス(アントニオ猪木さんが創始者)に続けとばかり気を吐いています。

ドラゴンゲートプロレスは日本全国、北は北海道から南は沖縄まで年間160大会を開催

しています。見栄えの良い選手が多いので、観客は半数が若い女性や子供たちが中心です。2024年には25周年を迎えました。

 

夢は1万人の会場で

 香港プロレス(HKWF)は今年で15周年を迎えましたが、創設者は香港人のホーホールンさんです。当初はリングの設営や会場の手配にも苦労し、プロレスの興行と聞くと貸し出してくれない会場もありました。またリング、コーナーポストやロープ、選手のコスチュームやシューズ、そしてゴングも中国本土の広州で発注し、途中何度も業者に出来具合を確認に現地に足繫く通っていました。コスチュームなどは発注したものとは色が違ったり、サイズが合わなかったりしましたし、ロープの中のワイヤーが細くて、希望の太さとは違っていたりと大変でした。

最初の興行は身内と友人と少々の格闘技ファンを合わせて100人程度の観客でした。香港プロレスを周知させる為にスポーツ関連の雑誌社や新聞社、あらゆるメディアにコンタクトしました。集客の苦労は絶えませんでしたが、本当の苦労はやはりコロナの時期です。興行はおろか選手が集まって練習することも出来ませんでした。HKWFに取りましても、プロレス界に取りましても大変厳しい時期でした。しかしコロナ明け後の大会には 400人の観客が集まり、皆さん香港プロレスの事を覚えていてくれたのです。

昨年夏のValley Ramble大会では600人の観客が集まりました。そしてこの夏のValley Mania大会には900人の観客と成功を収めました。HKWFの選手たちの夢は1万人規模の会場でプロレスの興行を打つことです。香港の著名な歌手やアイドルと肩を並べることです。つくづく若者たちには無限大の可能性があるということを思い知らされますね。

(ドラゴンゲートプロレス国内の試合予定)

https://www.gaora.co.jp/dragongate/release/tour.html

(インスタグラム)

@dragongatechampion

@dragongate_pro

@hkwf.pro

香港ポストのホームページでは試合の模様の動画が見られます

https://hkmn.jp

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