特区政府教育局の楊潤雄・局長は5月15日、香港中等教育修了証書(DSE)の歴史科試験で日本の中国侵略を美化する出題があった問題への対応について記者会見を行った。
同日の香港メディアによると、14日に行われた歴史科の試験では日本の対華援助に関する資料を提示し、受験生らに「1900~45年の間、日本が中国にもたらした利益は弊害より多い」ことに同意するかを問う問題が含まれ、物議を醸した。
楊局長は「周知の通り日本は当時、中国に対する侵略を発動し、抗日戦争では数千万人の同胞が犠牲となった。公の試験でこのように偏った感覚を与える出題を行うことはカリキュラムの趣旨に合わないばかりか、日本の侵略戦争で多大な苦難を負った国民の感情と尊厳を傷つけることになる」として遺憾を表明した。試験の専門性、公平性、公正性、信用性を確保するため、教育局は試験機関である香港考試及評核局(考評局)と以下の措置を取ると発表。
内容は(1)カルキュラムを熟知し監督管理に優れた担当官を考評局に派遣し、試験の出題と出題審査のシステムを把握し、今回の試験準備の過程で厳格にシステムに従ったかを調査(2)考評局に当該の出題を撤回するよう要求し、適切な調整により受験生すべてに公平な対応を確保する(3)考評局は試験の策定と実施の権限を与えられているものの、今回の件が社会で大きな物議を醸したことをかんがみ、教育局は現行のシステムを再検討する――の3つとなっている。
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