壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏が外国勢力との共謀容疑で起訴された公判が2月4日に127日目を迎えた。5日付香港各紙によると、黎氏の自己弁護の出廷は35日目となった。米国の元香港総領事であるジェームズ・カニンガム氏はかつて、黎氏に「行動リスト」を提案したことがある。黎氏はカニンガム氏の見解に同意し、過激派の指導グループを指名して抗議デモ全体を指揮し、地元の反体制指導者(民主派)を結集させて政府と交渉するよう促すと述べた。黎氏は、李柱銘(マーチン・リー)氏から紹介された陳梓華氏を過激派の中でもより穏健的な指導者と評し、陳氏には過激派の最前線に接触し、懐柔してその行動様式を変える能力があるとみていた。
検察は法廷で黎氏のメッセージ記録を示した。カニンガム元総領事は先に提案した「行動リスト」に言及し、その目的は体制から政治権力を奪取することだと述べた。また、立法会選挙を通じて「CEプロセス」に参加する道筋を確立しなければならないと述べた。李運騰・裁判官は、カニンガム氏が政治改革について策を講じたかどうかに注目していた。黎氏は当時、カニンガム氏はデモ参加者に対し、立法会選挙に影響を及ぼさないように暴力の使用を抑えるよう提案したと指摘した。黎氏はカニンガム氏の見解に同意し、過激派に指導部を指名するよう促すと述べた。同氏は指導部が他の民主派グループから支援を受け、政府と交渉できると信じていた。李裁判官は、カニンガム氏の提案が立法会選挙だけでなく「CEプロセス」にも向けられているのか、また「行政長官」に言及しているのかを疑問視した。黎氏は「CE」が何なのか知らなかったと主張した。
検察は2019年9月8日のコラム「成敗楽一笑」に掲載された黎氏の記事「これは良心の戦いだ」を示した。記事では黎氏が10人以上の過激派活動家と話し、そのうち数人が抗議活動のために命を犠牲にする覚悟があると発言したことが記されていた。検察は、黎氏がすでに過激派と直接対話していたにもかかわらず、なぜ自ら過激派の暴力行為を鎮圧したり、陳氏に自分の連絡先を伝えたりしなかったのかと質問した。黎氏は、面会は相手が『りんご日報』のインタビューに応じ、偶然会った際に話しをしただけで、記者に過激派の連絡先を尋ねたことは一度もないと主張した。
検察はさらに、2019年12月20日に黎氏と陳氏の間で交わされたメッセージを提示した。その中で、陳氏はロンドンに行くと述べ、黎氏はロジャーズ氏と英国上院議員オルトン氏との面会を手配できると返信していた。検察は、もし黎氏が陳氏と接触した目的が前線の過激派をなだめるためだけだったのなら、なぜ陳氏と英国の政治家との会談を仲介したのかと疑問を呈した。黎氏は陳氏との会話の全てが過激派をなだめるためのものではなかったと述べた。検察側が、黎氏がロジャーズ氏を陳氏に紹介した動機や、それが香港に対する制裁や敵対的行動を求めるロビー活動と関係があるかどうかを問いただすと、黎氏は動揺してそれを否定し、検察側の質問を非難した。裁判官はその後、黎氏に感情を抑えるよう促し「検察側の責任は検察側の主張を述べ、証人に質問することであり、証人は同意するかどうか応答できる」と強調した。裁判官はまた、法廷は職務遂行のため質問した弁護士に対して証人が不適切な批判をすることは許さないと厳粛に警告した。

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