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香港―経済

格付け2機関が香港の格付け維持

主要格付け3機関は香港の格付けを相次いで据え置いた。5月28日付香港各紙によると、フィッチに続き、S&Pとムーディーズも27日、香港の格付けを維持すると発表し、ムーディーズは格付け見通しを「ネガティブ」から「安定」に引き上げた。陳茂波・財政長官は「世界経済と金融の不確実性が高まる中、香港の経済と金融システムの回復力と弾力性がより際立っている」と指摘した。香港は十分な財政緩衝と潤沢な外貨準備、健全な対外バランスシート、そして高い一人当たり所得水準を有しており、これらはすべて香港の格付けに対する肯定的な評価を支えている。

陳長官は、香港の金融市場が引き続き活況を呈し、投資促進が目覚ましい成果を上げていると指摘。これは香港に対する国際資金の信頼と前向きな期待を反映しているとの見方を示した。特区政府の効率的かつ柔軟な政策措置と、香港の人々の変化への意識と変革への追求が相まって、困難に直面しながらも新たな機会を捉え、より良い発展を促進することができると述べた。S&Pはまた、香港の長期発行体信用格付けを「AA+」、短期発行体信用格付けを「A-1+」に据え置き、見通しを「安定」と発表した。ムーディーズは、香港の信用格付けの見通しを「ネガティブ」から「安定」に調整し、香港の長期発行体格付けを「Aa3」に据え置いた。フィッチは23日、香港の信用格付けを「AA-」に据え置き、格付け見通しを「安定」と発表した。つまり3つの国際格付け機関が香港の格付けを全て維持し、いずれも「安定」の見通しを示したことになる。

S&Pは、国際経済環境が不透明であっても、香港の経済成長見通しは少なくとも今後2年間は他の高所得国と同水準を維持するとみている。S&Pはまた、投資と輸出に牽引され、香港の経済成長の勢いは今年第1四半期に改善し年率3.1%となったものの、今後数四半期の見通しは米国の貿易政策の影響を受けると指摘した。しかし、昨年の香港の輸出に占める米国からの輸出は約6%に過ぎなかったため、米国の関税が香港に直接与える影響は限定的とみている。

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