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Dr. 青の身近な健康法 カイロプラクティック

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今回のテーマ:股関節の痛み

☆長時間座った後の股関節の痛み

映画館で映画を見終わった後に立とうと思ったら股関節周辺が痛くて身体を真っ直ぐ伸ばして立てない。バスに座っていて目的地に着いて降りようとしたらスムーズに歩けない。このような経験をしたことがある方は多いと思います。今回は座ることによって起こる骨盤周辺の痛みについてお話ししていきます。

私たちの身体は伸筋という身体を反らそうとする筋肉と、屈筋という身体を屈曲させようという筋肉が拮抗を保つことで成り立っています。このバランスが崩れると背骨が正常な状態を保つことができず、神経に圧迫を与え始め最終的には痛みや痺れなどの症状を起こします。では座っている時に私達の骨盤に何が起こっているかを考えていきましょう。

☆原因は筋肉の収縮と緊張

私たちの背骨を横から見ると、生理的湾曲つまり頸部・腰部には前湾があり、胸部には後湾があります。壁にかかとを付けて真っ直ぐ立った時、腰と壁の間には手のひら1つか2つ分の空間ができると思います。その状態が身体の前部と後部の筋肉が拮抗している状態です。私たちの目標としては立っている時も座っている時も寝ている時もその均衡を保つことです。

映画館や飛行機、バスの座席はなぜか自然と腰部が丸まるような形に作られています。腰を丸めて座った状態では骨盤の前部と後部の筋肉が完全に崩れた状態となります。特に前部の筋肉で関係してくる筋肉は大腰筋と呼ばれるもので、階段を上がる時に太ももを挙げる動作を行うのに使います。

腰を丸めて座っている時は常に大腰筋が収縮した状態(腕に例えるなら常に力こぶをつくっている状態)となります。長時間収縮した状態でいると筋肉が収縮して短くなった状態に慣れてしまい、いざ立とうと思った時に通常の長さまで戻らずハリを感じたり痛みを感じたりします。

状態が軽度のうちは立って少し腰を動かしたり20~30秒歩くと痛みが治まってきますが、だんだん重度になるにつれて痛みが取れるまでの時間が長くなってきたり、最終的にはコンスタントに痛みを感じるようになってしまうのです。

また大腰筋という筋肉は、腰椎1番から5番までの背骨の前部と椎間板から大腿骨についていますので、大腰筋の緊張が強くなれば腰椎を本来あるべき位置から少しづつ引っ張ってズラしてしまいます。腰椎がズレると神経に圧迫を与え始め、坐骨神経痛などの症状へと繋がります。

☆正しく座って予防しよう

このようになってしまうことを防ぐには、前述した腰部の生理的湾曲を保つ以外にはありません。座った時に自分の手で拳をつくり、腰と背もたれの間に置きます。そうすると骨盤が前方に傾いた状態がつくれると思います。この状態を維持するように意識してください。そして腰の前湾を意識して正しく座っていたとしても10分から15分に一回は腰を前後左右に動かして、ずっと動いていない状態を少しでも減らすようにすることが唯一の予防法です。

もう痛みが出始めているという方は、太ももの前部から腹部を伸ばすストレッチを多めに行うようにしてみましょう。

ドクター青(あお):D.C.(ドクターオブカイロプラクティック)パーマー・カイロプラクティック医科大学卒業。米国政府公認カイロプラクティックドクター、香港特区政府カイロプラクティックドクター免許取得。「Millennium Chiropractic Centre」勤務

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