マカオ政府観光局のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長が、今後の日本人観光客誘致に向けた具体的な取り組みと、マカオ独自の観光戦略「Tourism+(ツーリズムプラス)」について、熱意あふれるインタビューを行った。対談はフェルナンデス局長と(株)サウスチャイナエクスプレスの渡邊章太郎氏により行われ、より多様で魅力的な観光地としての地位を確立するための戦略が詳細に対談を通じて語られた。
パンデミック以前、日本はマカオにとって香港、中国本土に次ぐ第3位の国際市場であり、経済に大きく貢献していた。しかし世界的な渡航制限の影響を受け、その地位は一時的に後退し、現在は第5位となっている。インタビューの中で局長は、この現状を冷静に分析しつつも、回復の兆しを強調した。今年最初の四半期における日本人訪問者数が前年同期比で24%増の約4万4千人に達したという具体的な数値を挙げ、着実に回復基調にあることを示唆している。年間30万人というパンデミック以前の水準への回帰を目指し、今後も日本市場への働きかけを強化していく方針が改めて表明された。長年にわたりマカオを支えてきた日本との深い繋がりを再認識し、観光客誘致への強い意欲が感じられる。
2025年にマカオが東アジア文化都市に選ばれたことを大きな契機と捉え、日本との文化交流を一層深化させるための具体的な協力プランが多数発表された。その中でも注目されるのは、同じ東アジア文化都市に選ばれている日本の古都・鎌倉市との連携強化。文化的な相互理解を深めるためのイベント開催や、両都市の魅力を共同で発信する取り組みが計画されている。さらに日本のポップカルチャーを活用した新たな試みも展開される。銀座の大手旅行代理店の店舗をマカオのテーマで装飾し、訪れる人々にマカオの雰囲気を体験してもらうというユニークな企画や、アニメの聖地・秋葉原での大規模なロードショーの開催も実施した。このロードショーでは、人気アニメ「攻殻機動隊」とコラボレーションした限定デザインの決済カードが発表されるほか、日本の特撮ヒーロー「仮面ライダー」をテーマにした特別なウイスキーも披露される予定。これらの斬新なアイデアは、従来の観光客層に加え、アニメやポップカルチャーに関心のある若い世代のマカオ訪問を促進する狙いがある。旅行業界だけでなく、文化やクリエイティブ産業との連携を強化することで、より多様な層へのアプローチを試みるマカオの意欲が明確に示されている。

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