法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社は「中国半導体事業 2024年業界速報」を発表した。2023年に発売されたファーウェイのスマートフォン「Mate 60 Pro」には、中国企業の中芯国際集成電路製造(SMIC)の開発した業界最先端のプロセッサーが搭載され、その技術力の高さが世界の注目を集めた。昨今、半導体事業で存在感を高めている中国に対して、アメリカ政府は最先端半導体の軍事利用の危険性を恐れて2022年から半導体の輸出規制を行い、米中対立が高まっている。
日本の半導体製造設備の輸出先として中国が全体の半分近くを占めていることや、日本の半導体関連企業が中国に進出していることから、中国半導体事業の動向が日本企業へ及ぼす影響は少なくない。中国政府は、2015年7月発表の「中国製造2025」において、半導体の自給率を2020年に49%、2030年に75%に引き上げる計画を策定した。計画達成に向けた半導体開発支援の強化策として、2014年秋に「国家集積回路産業投資基金」を設立し、のべ3500億元以上の投資が行われている。
アメリカ政府は、2022年10月に半導体および半導体製造装置の中国への輸出制限措置を発表し、その後も対象品目を拡大するなど、規制を強化している。さらに、日本・オランダ・ドイツ・韓国を含む同盟国に対しても規制への同調を求め、日本政府はアメリカ政府の要請に応じて、2023年に先端半導体の製造装置などの23品目を輸出管理の規制対象に加えた。しかしながら、日本の半導体製造設備の輸出先としては、中国(48.5%)が全体の半分近くを占めており、加えて日本の半導体関連企業らが中国に進出していることも合わせて考慮すると、今後も規制強化が続く場合には、それらに関係する日本企業への影響が懸念される。

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