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香港―経済

日本企業が海外で組成した初のREIT

株式会社マーキュリアホールディングスのグループ会社であるSpring Asset Management Limited(SAML)及び MIBJ Consulting (Beijing) Co., Ltd.は、香港証券取引所に上場する Spring Real Estate Investment Trust(SpringREIT)の管理・運営を行っている。SpringREITの保有不動産のうち、英国における83物件のポートフォリオについて売却手続きを行っていたが、この度、伊藤忠グループへの譲渡が完了した。英国内に点在する83の小型物件で、伊藤忠商事の欧州子会社が展開する欧州大手自動車整備・タイヤ小売りチェーン「Kwik-Fit」に賃貸されている。今回の売却は、これら不動産を保有する特別目的会社の株式を伊藤忠商事のグループ会社に譲渡するもの。

SpringREITは、2013年12月5日に香港証券取引所に上場した日系ファンド会社が運用する唯一の不動産投資信託(REIT)で、クロスボーダー投資を掲げる当社グループにとって中核となる事業の一つ。香港REIT市場のグローバル化の流れの中で、SpringREITでは2017年に本件英国不動産の取得を行い、安定した収益貢献を実現させた。その後、SpringREITはそのコアバリューである中国のハイグレード不動産への投資を再度明確化する一方、伊藤忠グループにおいてはKwik-Fit事業の更なる強化のための不動産取得を検討していたことから、本件譲渡について合意に達した。

今回の売却に伴い、SpringREITは、より中国フォーカスの戦略を強化していく。現在、特に中国の住宅不動産市場においては供給過多に伴う問題が指摘されているが、SpringREITの保有する物件はトップクオリティを誇るオフィスや地域ドミナントな商業施設で、実需に基づく高稼働を維持している。今後もグループの他戦略とも共通するように、需要のある資産への投資をぶれずかつ厳選して行うことで差別化を図り、SpringREIT事業の更なる成長を目指す。

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