TRE営業部新人社員のサツキです。
前回の記事から二か月経過し、まだまだ新入社員という肩書は取れませんが、
漸く私もTREの業務が板に付き初めたころ、再び香港ポスト掲載記事執筆の機会を頂きました。
では改めて、今回は生成AI活用の奮闘記のお話をさせて頂こうと思います。
巷では常にAIに関する情報が濁流のように押し寄せて来る昨今、この2か月だけ見ても
職場でAIに触れる場面はあっという間に特別なものではなくなったように感じます。
議事録の作成、メール文面の下書き、資料の要約、ファイルの探索など。
率直に申し上げると、私にとってはAIが世界をどう変えるかという大きな話よりも、
目の前の業務をどれだけ楽にできるかが一番の関心事。AIはもはや日々の仕事の負担を減らす
実務のツールとしてなくてはならない存在ですが、贅沢なもので私の関心の軸は
既に「何を聞くか」から次の段階の「何を丸投げできるか」へアップデート。
<質問するAI>イメージ <作業するAI>イメージ
その流れの代表選手と目を付けたのは、昨年の1月にリリースされたOpen AI社の
”Operator” に代表される ”質問するAI” から ”作業するAI” への潮流です。
従来のAIは、こちらの問いかけに対して専ら文章やイメージ図を返す存在でした。
これに対し、作業するAIは、従来の利用者が示した目的に沿って必要な情報を探して整理し、
単に答えを返すだけでなく、複数の手順を伴う作業まで実行してくれます。
これにより人は判断や承認に集中し、AIには反復的で煩雑な作業を任せられる。
自分はなんて便利な時代に生まれたんだ。“これは使わにゃ損損”とウラシマ部長に早速進言したところ、
「入社2ヶ月でよくそこまで調べたね。確かに膨大な反復作業に関して
”作業するAI”の出番かも知れないね。」と期待が膨らむも、
「でもね、作業するAIは、便利になった分だけリスクも大きいよ。極秘資料の読取り・編集・削除、
ブラウザ操作、外部サービス連携まで許せば、AIが誤動作すれば情報漏洩や事故につながりかねい。
しかも、AIは指示さえすれば、昼夜関係なく働く。一度誤動作が起こればネットを介して被害も一気に広がる。
実際にクレジットカードの決済情報まで与えていたから、ユーザーの意図しないままに決済が行われた事例も
報告されているよ。」とブレーキがかかった。
ウラシマ部長の話した事例とは、2025年2月7日の米ワシントンポストに掲載された
Open AI 社の“Operator”上でユーザーが「配達してもらえる一番安い卵を探して」と頼んだら、
誤って買ってしまった事例のこと。
ユーザーは実際には購入を頼んでいなかったにも関わらず、全米平均の卵価格は
約6米ドルであったが、各種手数料を含めて合計30米ドル以上で購入決済が行われてしまった。
そして、ウラシマ部長はこう続けた。
「企業のAI導入についても、”使うか、使わないか”、の二択ではないけれど、誤動作のリスクを考えると無制限の導入は避けなければならないね。その意味で君の提案する作業AIの前のめりの導入は却下だね。」
「もちろんAI活用には前向きであるけれども同時に、社内ルールの整備と運用範囲の明確化が肝心。
AI利用は、管理の仕組みとセットで取り入れてこそ、初めて経営の力になるもの。
万が一に備えて、特に個人情報や機密情報の取り扱いの面では細心の注意が必要。
ついこの間、個人情報については入力禁止、機密情報のマスキングや匿名化などをまとめた
5、6ページのAI社内活動規定を作ったろ。まずそれを再度熟読の上AIにどこまで社内書類を見せるか?
発注や支払いの運用方法などポカヨケ対策も加味して改めて提案してね。期待しているよ。」
こうして入社早々の大金星と思ったAI活用提案はあえなく頓挫。もっとも効率化は大切ですが
丸投げはダメなのは相手がAIに対しても同じですね。AIは未知の分野だけに私のような新人でも
チャンスの宝庫、ルールや運用方法にさらに磨きをかけて再チャレンジしたいと思っています。
生成AIに関しては弊社でも試行錯誤の毎日ですが、新しい技術だけに皆様にもトライアンドエラーをおすすめします。無論例えば社内規定の作り方など何かご相談があればともに考えて作る形とはなりますが、ご相談は社員一同大歓迎ですのでお気軽にお声がけください!
【筆者紹介】
上野 隆
文系大学卒後NEC入社、同早期退職後に上海・香港でIT起業。2010年より香港TRE社長。同社は「気配りのソフトに安心のハード」を理念に35年前に香港で創業。ERP(会社システム)を事業の柱に日系企業のDX化を日々サポート。
記事に関するご質問やDXに関するご相談歓迎!
Eメール:sales@tre.com.hk
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