男子7人制ラグビーの大会「香港セブンズ(香港國際七人欖球賽)」。今や世界から観客が観戦しにくる大会となったが、今年で開催から50周年を迎える記念するべき年となった。2026年は4月17日~19日の3日間、旧啓徳空港(Kai Tak Airport)跡地に建設された「啓徳体育園(Kai Tak Sports Park)」のメイン施設「主場館(Main Stadium)」で開催された。男子の日本代表は、特別大会「メルローズ・クレイモア」に出場し決勝で香港に敗れた。コアチームに入っている女子は6位だった。一方、カップ戦は、男子は南アフリカが、女子はニュージーランドが4連覇を果たした。(取材・文:武田信晃)
★オリンピック競技にもなった7人制ラグビー
ラグビーと言えば15人制だが、7人制ラグビーはスコットランドで発祥した。イギリス植民地下だった香港はラグビーが親しまれる土壌があった。7人制ラグビーをオリンピック競技として採用された理由の1つとして、1976年から香港セブンズを開催し続け、7人制ラグビーの聖地になるまで発展させたという香港の努力が一助になったことは間違いない。
筆者は、ラグビーW杯、サッカーW杯、五輪、F1、MLB、NBA、ボクシング、競馬、テニスなどかなりのスポーツをみたが、会場の盛り上がりという意味では香港セブンズを超えるスポーツイベントを見たことがない。実際、セブンズを観に世界中からラグビーファンが来港。取材を終え、プレスセンターからシャトルバスに乗って帰宅途中、バス内で話した客はオーストラリアのブリスベンからセブンズを観戦しに来ていた。今や香港セブンズの存在感のある大会に成長した。
★日本代表の戦い
男子日本代表は、世界を転戦するセブンズのシリーズの参戦資格を持たないため、男子セブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)という代表チームを組織。セブンズの大会出場選手などからセブンズ日本代表候補になり得る選手を招集し、育成・強化を図っている。
香港セブンズでは、「メルローズ・クレイモア」という大会に出場し、地元香港と中国と総当たり戦を行った。初戦は香港戦では14-7で、2戦目中国には19-0で勝利し、決勝では再び香港と対戦した。再戦では地元で負けられない香港代表が高い集中力を見せ、試合を優位に進める。日本も負けじと反撃するが、小さなミスが響いて15対19で敗れた。2026年10月に名古屋で開催されるアジア大会に向けて「個人のレベルをさらに引き上げないといけない」と各選手が口をそろえて話していた。
一方の女子代表の「サクラセブンズ」は世界を転戦するSVNS2026に参戦しており、予選はニュージーランド、フィジー、ブラジルと戦うプールAに入った。1戦目のフィジーには12-5で勝利したものの、次戦のニュージーランドには38-7で敗れた。予選最後のブラジルには34-7と相手を圧倒し準々決勝に進んだ。対戦相手はフランスだが、相手のうまさが勝り22-12で敗北した。
5位決定戦に回ることになったが、その相手はアメリカだ。前半、アメリカは立て続けに3トライを決め17対0とリードするが、前半終了間際に日本がトライを決めて17-7で折り返す。後半は日本が試合を諦めず攻め続け、大谷芽生と堤ほの花が連続してトライをあげ24対19にまで迫る。さらにアメリカが反則を犯してシンビンとなりる。数的有利となった日本が攻勢を続け、ゴール前まで迫る。最後のパスがつながればトライ確実というの複数回あったが、最後は相手にインターセプトされて試合がノーサイド。最終順位は6だった。
兼松由香ヘッドコーチは「学びを活かせたところと、最後に勝ち切れない弱さの両方があることが分かった。アメリカ戦は、久しぶりにサクラセブンズのラグビーを見せられた」と成長を感じたようだ。
★強さを見せつけた男女の優勝チーム
カップ戦は、男子の決勝は南ア対アルゼンチンの対戦となった。両者は予選でも同じプールAで対戦し、その時は38対0で勝利している。決勝で再戦となったが、後半にギアをあげ3トライをあげた南アが35対7で雪辱に燃えるアルゼンチンを返り討ちにした。
女子決勝は、ニュージーランドとオーストラリアという因縁の試合となった。ニュージーランドが序盤から試合を有利に進め、オーストラリアに主導権を渡さない。オーストラリアは後半直後に選手3人を入れ替えるなど手を尽くしたが19対14でオーストラリアが逃げ切った。ニュージーランドは大会4連覇。優勝したことでハカを大勢の観客の前で披露した。
★女子15人制の大会が9月に香港で
50周年を迎えるということで、フィジーのワイサレ・セレヴィ、 ニュージーランドのDJ ・フォーブスなど過去の香港セブンズを盛り上げた選手が大会に色を添えた。また、例年以上に歌手によるコンサートが開催されるなど記念大会として観衆を楽しませた。
また、大会期間中、ワールドラグビーが会見し9月13日、19日、26日に香港で15人制女子ラグビーの大会であるWXVグローバルシリーズ・チャレンジャー(WXVグローバルシリーズの2部リーグに相当)大会が開催されることを発表。香港でさらにラグビーが楽しめることになった。
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