昨年、「香港は終わった」と主張する論説を執筆したモルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ元会長は、論調を一転させて香港は米中対立の恩恵を受け、活力を取り戻しつつあると述べた。6月3日付香港各紙によると、ローチ氏は「香港の成功は米中関係によるものであり、失敗もまた米中関係によるものだ」と指摘。「最も正確な分析家」といわれる経済学者の洪●氏もローチ氏の見解に同意し、米中対立が激化すればするほど香港の役割は重要になるとみている。市場環境は頻繁に変化しているため、ローチ氏の見解は参考になると考える学者もいるが、香港はまだ正式には新型コロナ流行の影から抜け出していないため、ローチ氏の見解は楽観的すぎるとの見方もある。
ローチ氏は昨年2月、『フィナンシャル・タイムズ』に寄稿し、「香港は終わった」と断言。その論拠は、中国本土の経済成長減速による香港の将来へのプレッシャー、中国と米国の競争に巻き込まれた香港、そして香港の政治自治という3つの要因だった。しかしローチ氏は最近のブルームバーグのインタビューで突然見解を一変させ、米中対立の激化は衝撃的だと述べた。当初、香港は米中対立によって大きな打撃を受けると予想されていたが、脅威よりもチャンスの方が多く、中国にとって最も重要な国際金融窓口という香港独自の立場が、その恩恵をもたらしている可能性がある。ローチ氏はさらに、香港金融の成否は、中国本土との関係、そして米国の圧力によって米中金融システムがほぼデカップリングしたことの影響に大きく左右される可能性があると指摘。この点において、香港は恩恵を受ける独自の条件を備えているという。
ローチ氏は、香港は「経済的、行政的、法的観点から見て、今や完全に中国の軌道に乗っている」と述べ、依然として懸念材料が2つあると指摘。しかし、こうした緊密な関係こそが、香港が米中競争においてより重要な役割を果たすことを可能にしているとみる。ローチ氏は昨年の発言が早すぎたことを認め、アメリカの伝説的野球選手ヨギ・ベラの名言「何もかも、終わるまでは終わっていない」を引用した。【●=瀕の歩の部分が景】
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