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日本と中国の今を読み解く

新たな市場への挑戦

最近の海外報道では円安・債券安により「日本の財政破綻」を示唆する記事を多く目にします。衆議院選挙も28日に決まりました。変革の2026年が始まりましたが、新たなビジネスを模索し動き出す年でもあるのでしょう。

日本製品への期待が大きい中央アジア市場

カザフスタンやウズベキスタンなど中央アジアの国々では日本製品への信頼度が高く、より多くの日本製品が購入できる環境が整うことを期待しています。今まで新疆ウイグル自治区のウルムチにてカザフスタンやウズベキスタンの方々や、中央アジアと長く貿易事業を営んでいるウイグル族の方たちと交流を重ねてきました。その上で、私なりに導いた答えです。

1月19日に中国外交部は中国税関総署(GACC)のデータの基づき、2025年に中国と中央アジアの貿易総額が1,063億ドル(前年比12%増)となり、1,000億ドルを突破したと発表しました。中国と中央アジアとの経済関係は深まり続けており、それに伴い物流インフラの整備も進化を続けています。

昨年12月、日本に於いて初の「中央アジア+日本」対話・首脳会合が開催されましたが、日本の中央アジアへのアプローチは、あまりにも遅すぎると感じていました。日本とカザフスタンとの貿易は、日本カザフスタン投資環境整備ネットワーク(https://jp-kz.org/)が発表したデータによると、2024年は日本からの輸出が約9億2,500億ドル、日本への輸入が約7億1,300億ドルとなっており、中国と比較するとあまりにも大きな差があります。

2025年11月のデータで確認すると、日本がカザフスタンへ輸出している製品は「機械及び輸送用機器」が全体の73.6%、「原料別製品」が18.2%で合計すると91.8%を占めており、ほとんどが工業向け製品であることがわかります。

pastedGraphic_1.png日本のカザフスタン向け輸出品目と比率

 

一方で、現地の方たちが欲しいと思っている日本製品は、化粧品や健康食品、日用品、食料品などの一般消費者が購入する製品などです。カザフスタンに限らず中央アジア諸国へは一般消費者が購入するような製品については、日本の製品がほとんど普及していないのが実情です。

日本と中央アジアとの貿易では物流が課題と考えられていましたが、日本通運などが中国経由で日本から中央アジアへの物流サービスも行っていますので、ハードルは低くなっています。

pastedGraphic_2.png日本通運の中央アジア向け物流サービス

また、小ロットの荷物を送る場合も新疆ウイグル自治区までは空路で送り、その後は陸路で運ぶ方法もあります。物流コストはかかりますが、チャレンジしてみる価値は高いと思います。

中央アジアからの買い付け

 ウルムチ市内には中央アジア諸国から商品を買い付けに来るバイヤー向けのホテルがいくつかあり、専門の卸売市場もあります。

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pastedGraphic_5.png中央アジア客が多いウルムチ市内のホテル
pastedGraphic_6.pngウルムチ市内にある中欧アジア向けの卸売り市場
pastedGraphic_7.pngウルムチ市内にある中欧アジア向けの卸売り市場

写真を見ていただくとわかるように、どこもロシア語の表記がしてあります。店によってはロシア語しか表記していないところもあります。中央アジア諸国はそれぞれの言語はありますが、旧ソビエト連邦に属していた中央アジアの方々が共通して読める言語としてロシア語を表記しています。

中央アジア向けの卸売市場はコロナ禍までは買い付けの人で溢れていましたが、コロナ禍後はかなり人が減っています。コロナ禍で往来が制限されていた時期が長く続きましたので、その間に直接買い付けからネット買い付けに移行した方が多いようです。

ネット買い付けの比率が高くなるにつれ新疆から買い付けるのではなく、今では義島や広州などから直接ネットで購入している中央アジアのバイヤーも多いとのことです。

新た取り組み

昨年11月に中央アジア向け卸売市場を視察しましたが、日本製品を専門に扱っている店はありませんでした。この場所で日本製品専門の卸売店を開けば中央アジアのバイヤーの目に留まり、ビジネスが広がる可能性を強く感じました。

春節明けからはウルムチ市内の免税店との協業を始めますが、2026年中には中央アジア向け卸売市場にも日本製品専門の店を構えることを検討しています。日本製品へのニーズはあるが製品を提供できていない市場があるのですから、チャレンジするしかありません。

認識を変える必要性

中央アジアとのビジネスを考えた時、その間には中国が位置しています。スキームを構築する場合、中国を外して構築するのには無理があり、より困難になるでしょう。

pastedGraphic_8.png中国に対する親近感の変化【笹川平和財団】

残念ながら現在の日本人は中国に対する親近感は著しく低く、「中国」と言うだけでアレルギー反応を起こす人も珍しくありません。しかし、世界に目を向けると日本の対中感情が特異であることも知るべきだと思っています。

1月15日に欧州外交問題評議会が興味深いアンケート結果を発表しました。

https://ecfr.eu/publication/how-trump-is-making-china-great-again-and-what-it-means-for-europe/

この結果によると、以下の点は日本人が想像していない結果ではないでしょうか。

■世界中の多くの人々が、中国のグローバルな影響力が今後10年間で拡大すると信じている

pastedGraphic_9.png今後10年間、中国の世界的な影響力

■アメリカ人の50%以上が、中国を必要不可欠なパートナー、あるいは同盟国だと考えている

pastedGraphic_10.png各国の対中意識

日本人が抱いている対中意識と世界では大きく乖離していることがわかります。政治的には国対国で色々な困難もあるでしょうが、政治に大きく左右され過ぎずビジネスは行っていくべきだと思います。

ビジネスでは好き嫌いは別として、ニーズある顧客に製品を届ける。シンプルに考えれば新たなチャンスは必ず生まれるでしょう。

【筆者紹介】

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清水 泰雅(しみず やすまさ)

清水 泰雅(しみず やすまさ)

STECO GLOBAL LIMITED (香港)CEO、上海清環環保科技有限公司(STECO)董事長、安立飛商務信息諮詢(上海)有限公司 董事長

1961年愛知県名古屋市生まれ。90年より愛知県で空調ダクト洗浄の専業サービス業を創業。2005年、中国上海市に独資にて法人を設立後、今日まで中国ビジネスに携わっている。JETRO、自治体、証券会社などをはじめ彼らが主催する中国関連セミナーでの講演多数。2015年以降は、大手コンサルティング企業とも連携し、数多くの中国ビジネス案件に注力している。

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