「SusHi Tech Tokyo 2026」が、2026年4月27日から29日にかけて東京ビッグサイトで開催された。本イベントは、東京都が主催するアジア最大級のスタートアップ技術展示会で、今年は国内外770社以上が出展。世界55都市の市長級が参加する国際会議「G-NETS」も同時開催されるなど、過去最大規模の開催となった。(倉下紀子)
■ 小池都知事・高市首相:「スタートアップ立国」
初日の基調挨拶では、小池都知事と高市首相が登壇し、スタートアップ支援の強化を明言。高市首相は、研究開発支援や人材育成を含む政策を紹介し、「スタートアップが日本経済の成長エンジンになる」と強調した。
■ 台湾とのMOU締結:デジタル連携の新たなステージへ
東京都と台湾デジタル省(MODA)によるMOU(覚書)締結も行われた。小池都知事と台湾デジタル担当大臣が登壇し、◇スマートシティ分野での協力、◇デジタル技術を活用した都市課題解決、◇スタートアップ交流の強化――などについて合意した。
台湾はデジタル民主主義や行政のオンライン化で世界的に評価が高く、特に市民参加型の政策形成や、災害時の情報共有システムなどは国際的なモデルケースとなっている。それだけに、今回のMOUは、東京がアジアのデジタルハブとしての地位を確立するうえで大きな意味を持つ。台湾パビリオンでも、行政DX、サイバーセキュリティ、ヘルスケアIoTなど、都市のデジタル基盤を支える技術が展示されていた。
■ 国際連携の広がり:55都市が集うG-NETS
このほか、世界55都市の市長が参加する国際会議「G-NETS」が開催され、自然災害対応、脱炭素、都市交通など、都市が抱える共通課題について議論が行われた。
展示会場でも、欧州・アジア・中東など各国のパビリオンが設けられ、国際色豊かなスタートアップが自国の技術や都市政策を紹介。特にヨーロッパ勢は、環境・エネルギー分野の展示が充実しており、カーボンクレジット管理やMRV(計測・報告・検証)技術など、脱炭素社会に向けた実装レベルの取り組みが目立った。
■ スタートアップが示す「未来の生活」
AI、ロボティクス、モビリティ、環境テック、ヘルスケア、都市開発など、未来社会を形づくるスタートアップが一堂に会し、社会課題解決に向けたソリューションが紹介されていた。例えば、リアルタイム音声翻訳、ロボットタクシーなど。また、都市機能の効率化や人手不足の解消といったテーマに直結するソリューションが目立った。
このほか、人型ロボットや自動運転の体験展示も注目を集め、動画から学習した動きを再現するヒューマノイドロボットが来場者の前で滑らかに動く姿が披露された。
■ 日本企業・自治体の存在感
日本勢も負けてはいない。関西パビリオンでは、AIと衛星データを活用したカーボンクレジット創出の仕組みが紹介され、都市開発系のブースでは、渋谷区や東急がメタバースやゲームと連動した街づくりの新しい形を提示していた。
また、NECや大手企業のブースでは、生成AIと都市データを組み合わせたスマートシティの実装イメージが示され、行政・企業・スタートアップが連携する“都市OS”の未来像が描かれていた。
■ World Student Pitch:未来に向けて
世界各国の学生が集まり、都市課題の解決や新しい社会価値の創出をテーマに、独自のアイデアを英語でプレゼンテーションする国際ピッチコンテストである「World Student Pitch」も開催された。ピッチでは、◇都市のフードロスをAIで最適化する仕組み、◇高齢者の移動を支援するコミュニティ型モビリティ、◇海洋プラスチックを回収し再資源化する循環モデルなど、社会課題の解決に資するテーマが目立った

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