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香港―経済

ジェイトレーディングがマグロ工場

水産商社株式会社ジェイトレーディングは、このほど新界・●湾エリアにマグロの加工工場施設を設立した。9月6日には、日本、香港、マカオなどから食品業界のバイヤーやサプライヤーなどおよそ60人が招かれお披露目が行われた。

同社は2015年にクロアチア産クロマグロの養殖事業を手掛けるカリ・ツナ社を40億円で買収しており、アドリア海にある養殖場で5万尾以上のクロマグロを養殖、生産から販売までワンストップのサプライチェーンを構築している。沿岸漁業で獲れる天然イワシを餌に養殖しているマグロは、身が引き締まり甘味とコクがあるのが特徴だ。

ベルギー・ブリュッセルで開催されたトップシェフ200人が厳選する「テイスティング・アワード」では16、19年に1位を受賞している。(17、18年は不参加)。また、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」全店舗(日本国内と香港を含む海外)でもマグロを卸している同社は、今回、香港現地法人Kali Tuna H.K. Co., Limitedを設立したことで、アジアのプロセスセンターとして強化していく。

Kali Tuna H.K.は、延床面積4000スクエアフィート、事務所のほかマグロの加工工場や冷凍保管室を設けている。冷凍保管室はマイナス60度に設定された超低温ストッカー14台を設置し、約1.5トン分が収容可能だ。これは、現地で水揚げ後に即凍結されたマグロを品質を落とさず新鮮な状態で保つための「特殊冷凍庫」となる。ここでは、冷凍のマグロブロックを顧客の使い方に合わせて様々なサイズや形状に切り分けるなど、細かなニーズに柔軟に対応しており、加工により発生する端材や手のかかる部位などを中落ちやネギトロとして加工するなど、徹底した無駄を省いている。

株式会社ジェイトレーディング代表の神戸治郎氏は「今回の法人設立により、アジアのハブ、加工・物流のハブとして、香港を拠点にアジアでの展開を強化していきたい」と意気込みを語った。2~3年以内に年間10億円の売り上げを目指す。

【●=草かんむりに全】

 

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